今朝、いなかの窓事務所にやってくると、1人の男が佇んでいた。
*「どうしたんですか、いつになく寂しい顔して」
林健二「実はさ、お別れを言いに来たんだ」
林健二はそう言うと、涙をこらえながら私たちに説明してくれた。
移住相談窓口として、新しく篠山口駅にできる「Rural Innovation Lab」の中に事務所を構えることになったこと。
10月からはそこに常駐する必要があること。
だから、
この”居場所”ともおさらばしなければならないこと…
林健二「悲しいけれど、お別れだ」
*「そんな! 嫌だよ、林さん!!
一緒に町を創ろうって、約束したじゃないですか!!」
林健二「もうお前らとは付き合ってられないんだよ。
俺も忙しくなったし、これからは別々でがんばろうな」
冷たく言い放った言葉のようだが、林健二の声は微かに震えていた。
*「林さん…」
*「林さん!!!」
*「事務所が離れても、ずっと一緒ですよ!!
篠山のために、がんばりましょうね!!
僕ももっと大きくなって、はやせるようにがんばりますから!!
その時は…」
林健二「ああ、また創ろうな。町を」
こうして、林健二は10月3日から篠山口駅内にオープンする「Rural Innovation Lab」へと移転したのであった。
完